Webディレクターズハック 〜社内TechTalks参加レポート〜


社内TechTalksに参加してきました。講師は近所のweb制作会社から@ichigamiさん。テーマは「Webディレクターズハック 〜実務に役立つWebディレクションのコツ〜」でした。

普段、社内のディレクターさんとしか接する機会がないので、社外のディレクターさんがどうやってるのか、お話が聞けたことは大きな利益となりました。その中で心に響いた言葉をいくつか。

決裁者と直接話せ

仕事をしていていちばん困ることはちゃぶ台返しです。
要件に対して最適な方向性をデザイナーとして提示して担当者と作り上げてきたのに、社長から「いやそういうことじゃない」と…今までの時間を返せーとなる訳です。そうなる前にあなたに決裁権があるかどうか、真の決裁者は誰なのかを明確にしなさいとのことでした。
当たり前のことなんですが、時間の関係で煩わしくて忘れがちなことだなーと思いました。

要件の本質を汲み取れ

ここの文字を赤くしてくれと言われて「はい、赤くしましたー」と言っちゃうデザイナーはポンコツだと。
「赤くするのは目立たせたいんですよね、それはなぜですか?」と問うこと。「そういうことであれば、赤くするんじゃなくて、こちらの方がもっと効果的ですよ。」と提案すること。
これに関しては自分は実践してるつもりなんですが、そのまんまやっちゃう人が意外に多い気がします。
クライアントのデザイン能力が自分より高いのならそれでいいんですが、それならデザイナーに発注しない訳で、期待以上の働きをしてくれるのを求められている以上、それには答えるのがデザイナーの義務です。対立することを恐れていては結局クライアントにも自分にとっても利益のないものが出来上がってしまいます。継続可能な関係を築くためにもいつでも最適な可能性を求めることが重要です。(ただし対立しすぎてデザイナーの我を押し通すのはもっといけないこと)

提案のその先を提案する

せっかく最適な方法を提案してそれが実装されたとしても、どれだけの効果があったのか証明できなければ自分の評価につながりません。デザイナーとして提案するならその効果を数値化して測定方法まで提示すべきとの事でした。
これはやっていなかったですね…。効果測定は個人的にやることはあっても相手にやり方まで伝えることは恥ずかしながらしてなかったです。問題意識を共有する意味でもやるべきだなと思いました。提案はしたけど、自分の思い込みでした〜じゃ笑い事じゃないですからねw

結果として

まずはクライアントとコミュニケーションを積極的に取ること。自分との壁を取り払わなければどれだけ正しいことを言っていても受け入れてもらえません。土壌が整っていなければどれだけおいしい野菜の種を植えても育ちません。
次はクライアントを愛することかなと。くさいですが、やりたいと思ったことに善悪はありません。意図を正しく汲み取ってクライアントに最適な方法を提示すること。そのためにはゴールを明確にしてそこに向かって一緒にやって行こうという協力関係が必須になります。クライアントの利益は必ずこちらの利益になります。ゴールからずれているなら、Noという勇気も大切です。それがあなたの利益になるんですよと伝えることが大事!
共通のゴール、つまりはユーザーを見据えることをクライアントに伝えるのも大事だなと思います。ユーザーの存在しないWebサイトは存在しません。もしあったとしてもそれを作るために発注するクライアントはいないでしょう。デザイナーは最終的にユーザーの目に届くものを作成する訳ですから、責任を持たなければなりません。「ユーザーの利益になるもの→クライアントの利益になるもの→自分たちの利益になるもの」という関連性を俯瞰で見つめる能力が必要になります。

費用対効果を考えつつ、その中でユーザー、クライアント、そして自分が幸せになる方法を見つけることが本当のクリエイティブな活動なのではと感じた一夜でした。